アークナイツってどんなゲーム?
アークナイツはネット広告でよく見る、獣耳のついた女の子キャラを愛でるだけのゲームではありません。
『アズールレーン』のYostarが運営する中国製ソシャゲで、悲壮感あふれるダークな物語を生き抜く可愛くて、かっこいいキャラクターたちをプレイヤーはドクター(指揮官)として導いていくストーリーを楽しむ戦略性が高すぎる、かつ難易度の設定が絶妙すぎるタワーディフェンスゲームとなっています。
発表当初は“局部壊死”とかいう物騒な章題でSNS界隈をざわつかせた程のダークなストーリーとなっています。
悲壮感溢れる重すぎるストーリーが苦手な人もストーリーをスキップして戦略性が高すぎる、かつ難易度の設定が絶妙なタワーディフェンスゲームを楽しむのもありだと思います。
それほどまでにゲーム自体が面白すぎました。
タワーディフェンス型の戦略バトルシステム
『アークナイツ』のバトルは、正統派のタワーディフェンスです。敵の大群がいくつかのルートを辿って味方の”拠点”を目指して進行してきます。
敵が”拠点”に侵入するたびライフが減っていき、自軍のライフがゼロになったら敗北となります。
プレイヤーは、フィールド内の四角いマスに味方キャラ(オペレーター)を配置して、敵の進行を妨害することができます。
敵の侵攻ルートは敵が侵攻を始める直前に知ることが出来るので、そのルートを塞ぐようにキャラを配置するのがキモとなります。
また、1体のキャラがブロックできる敵の数は決まっているので、新しい敵が来る前に攻撃で数を減らしていくことが重要です。味方の配置には、時間経過で増加していくコストを消費して、配置します。
ですが、強いキャラほどコストも高いのでむやみに強いキャラを配置するだけでは敵の数が多い場合に防げなくなってしまうので、敵のレベル・数・タイプに合わせたキャラの配置が重要になってきます。
攻撃力が高い前衛、防御力とブロック数に優れた重装、遠距離と空中の敵に対応できる狙撃と術師、など役割を持ったキャラを最大12人編成して1チームを作り、ステージに挑みましょう。
キャラは、コストやステータスだけでなく、常時発動のパッシブ能力やゲージを貯めて発動するスキルの効果に個性があり、ステージに合わせて使い分けていくことになります。
今どき珍しいほど“王道”のルールのタワーディフェンスゲームです。
正方形のマスで区切られたステージの構成は、かなりシンプルです。
美麗なイラストのキャラクターも、バトル画面ではSDにデフォルメされます。「中国製だから超絶クオリティが高いんでしょう?」と勝手な幻想を抱いていたので、正直な話、最初の印象は「画面がショボくない?」でした(笑)
ですが、基本ルールが分かりやすく、ステージがシンプルだからこそサクサク進める楽しさがありました。
事前に敵の進行ルートが表示され、先読みでキャラを配置できる。こういうパズル的なゲームは製作者からの出題だと思っていて、クリアした時に「自分の力でやった感」が溢れてきます。
ステージ構成・難易度調整が絶妙でした。
基本ルールが単純なぶん、厄介な特性を持った敵のバリエーションで勝負を仕掛けてきます。
まずキャラクターを育成したいので、経験値が美味しい”曜日クエスト”の最高効率ステージのクリアを目指しましょう。
すると、必然的に低レベルでの攻略になるから難易度も上がってしまいます。そこで試行錯誤しながら何度も挑戦するのですが、本作は敵の進行に関してランダム要素が一切ありません。
一部のボス以外、必ず同じルート、同じ順番で敵が現れます。
味方のスキルもランダム性があるのはごく一部で、だから毎回同じ条件で再挑戦できます。失敗しても減るスタミナはほんの僅かですし、毎日30枚まで回復する”演習チケット”を使えばタダで練習が可能です。
タワーディフェンス自体がそういうジャンルなんでしょうけど、「すごく誠実なゲームだな」と思いました。
ステージの製作者がフェアに勝負を挑んできます。プレイヤーの努力を絶対に裏切ることはありませんでした。(一部の例外はありますが)運が絡みません。編成のバランス、配置する順番、キャラの向き、スキルを発動するタイミング……戦局を変える要素は膨大で、頭を使ったぶんは必ず“手ごたえ”になって返ってきます。そんな戦略性が高すぎるゲームなんです。
ステージの見た目がシンプルなのは、操作に対するレスポンスの良さと引き換えだと感じました。本当に難しいステージでは、0.何秒のタイミングが勝敗に影響することがありました・・・・。
高台を優先的に狙う敵だったり、隣接するマスに範囲攻撃を飛ばす敵だったり、味方のブロックをすり抜けたり、特殊なタイプの敵が増えてくるとセオリー通りにはいかなくなっていきます。
メインストーリーは現在6章まで実装されていますが、4章の時点で既に「めっちゃ難しい!!」と悲鳴を上げました。
ちなみに、本作ではフレンドのサポートを借りずに完全クリアすると、次からその時の操作を再現するオートプレイが解禁されます。
また、倍速機能があるので、快適なステージ周回が可能となっています。ですが、ここに落とし穴がありました。0.何秒単位のタイミングでクリアすると、倍速をかけたオートプレイが安定しないんです。
さらに、倍速にしていると敵の侵攻方向の事前のお知らせを見逃してしまって思わぬ奇襲を受けてしまったりもしました。
倍速にする場合は気をつけてください・・・・・。
『アークナイツ』のバトル画面は確かに今時のソシャゲに比べてしまうとショボく見えてしまいます。ですが、それと引き換えに得られるゲームプレイが、めっちゃ面白かったです。
悲壮感溢れるストーリーに完全に引き込まれます
ストーリーは、プレイヤーである『ドクター』が所属する組織『ロドスアイランド(通称:ロドス)』が武力行使を含む介入を行っていることから、全体的に悲惨で暗い雰囲気が漂っています。
フィクションで言うところの『終末物』となっており、プレイヤーの分身であるドクターもこの紛争に巻き込まれ、物語開始当初に記憶を失ったところからスタートします。
記憶の無いドクターの視点から表現される世界は、より悲壮感に溢れており、大都市からの撤退戦から展開される物語は全体的に殺伐とているなと感じました。
世界観的にも『天災』と呼ばれる様々な天変地異に見舞われ、そこに住む人間達は『移動都市』と呼ばれる移動可能な都市に在住しています。
それらのエネルギー元となっている『源石(オリニジウム)』と呼ばれる莫大なエネルギーを持つ鉱物を扱うことで『源石病(オリパシー)』と呼ばれる不治の病に感染する人々が居ます。
源石病に感染すると、内臓が侵され、皮膚に源石が露出し、最終的には死に至ります(感染者の資料では臓器の輪郭についてよく言及される)。治療法は発見されていません。
また、感染者の死体は、それ自体が鉱石病をまき散らす感染源となってしまうため、野垂れ死ぬことすら周囲に危険を及ぼすことから、鉱石病と判明した時点で社会から隔離されるか、人々から迫害の対象にされてしまいます。
また、鉱石を組み込んだ武器の使用者や、鉱石の力を体内に宿した者は”アーツ”という魔法を行使できます。
これら源石と天災、そして源石病に侵された『感染者』を巡って物語が展開していきます。
各国では感染者は隔離や駆逐の対象とされており、ロドスはそれら感染者差別の解決案を政府等に提供したり、従軍という手段を用いた感染者保護と衣食住の提供をしていきます。
そして最大の目的である源石病の治療を目指して研究を続けています。
対して、感染者を迎合し、非感染者に対して超排他的な感染者集団『レユニオン』が、レジスタンスとなって暴力という原始的な手段を用いて感染者の権利を奪い返そうと計画を立てます。
物語はレユニオンの、とある大都市への武力行使に対しロドスが介入したことから始まり、随所で行われる軍事的衝突や、突如発生する天災の描写、そして感染者への差別表現などが随所に見られます。
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